Google Ventures開発「デザインスプリント」をフリーランスが体験してみた
以前に「デザインスプリント」というものに参加する機会がありましたので、せっかくなので体験した感想などをお話してみたいと思います。
デザインスプリントとは?
Google Venturesが開発した新規事業やサービスアイデアを短期間(通常5日間)で検証するためのフレームワークです。アイデアを「実際に動くプロトタイプ」にし、ユーザーテストまで行うのが特徴。
目的
- ・新規事業の方向性が正しいか早く検証する
- ・長い議論を省いて、短期間で意思決定する
- ・大規模開発を始める前に、リスク・無駄を減らす
全5日間の工程
| 1日目:理解(Understand) | 課題を整理し、ターゲットや解決すべき問題を明確化。 |
| 2日目:発散(Sketch) | チーム全員でアイデアを出し、ラフスケッチを作る。 |
| 3日目:収束(Decide) | 出たアイデアを比較し、どれをプロトタイプ化するか決定。 |
| 4日目:プロトタイプ制作(Prototype) | 最小限の機能だけを形にする(本格開発はしない)。 |
| 5日目:テスト(Test) | ターゲットユーザーに見せて、反応を確認。 |
デザインスプリントを体験した感想
コロナ禍という状況もあってこのときはオンラインでの参加ではありましたが、一番大きな感想は想像以上に負荷が高いということ。常時集中、連続的な意思決定、時間制限内でのアウトプット、これが丸一日×5日間の長時間で求められるので、その身体的・精神的負担はとても大きいものです。
複数案件に並行して対応しているようなフリーランスにはなかなか参加をおすすめできないフレームワークではあります。本当に期間中は他の業務は一切手がつけられません。無報酬での参加は論外ですが通常の時間単価の2~3倍くらいに設定しないとなかなか割に合わないとは思います。
デザインスプリントの工程は、まずは多様なアイデアを出す、その中で取捨選択を行い、プロトタイプに落とし込むというフローで、これは割と一般的な流れかなという印象です。
いきなり大規模なものを作る場合、それを動かしはじめるまでの時間が長くなるのと、実際に動かしてみたらユーザーの評判がよくなくて大幅改修が必要になるという場合もあります。これを避けるためにはやはり核となる体験を先に作り込んで、早い段階でフィードバックをもらうようにするのがよいでしょう。
※その中で漠然としていたその企画の価値が突然言語化されるようなこともあったりします。
私の場合はこういった思考フローは概ね一人で行ってプロトタイプができた段階でβ公開をしてユーザーの反応をチェックします。ただいろいろな人の意見を聞く中で、自分にはまったく見えていなかった視点があったことに気づくということも多々あり、そういう中で多様な意見を取り入れるのは重要だと感じます。
ですが一方で、最初から多くの人を巻き込んでしまうと意見がまとまらずに収集がつかなくなるというのもまたよくあることです。サービスをよりよくするために、ではなく、自分の存在感を示したい、評価されたいという不純物が入ってくるとなかなか難しいところ。
取り組み自体への感想としてはファシリテーター含むメンバー依存性が非常に高いフレームワークで、優秀な人材が集まるとその効果は絶大、一方で無作為に集めたメンバーでは成果が期待できないというような印象があります。
またGoogle Venturesが提唱している丸一日×5日間メンバーをひとつの場所に拘束して実施するのは現実的にはなかなか難しいと思うので、そこを自社の環境に合わせていかにカスタマイズできるかがポイントになるかと思います。
例えば”丸一日限定”だったり”3時間×5日間”のような短縮版を作ったりですね。また、デザインスプリントのメンバーを招集して開催できるオンラインコミュニティなんかを運用してみるのも面白いかもしれません。



