”やりたい仕事”が見つからないのは当たり前?その理由とは
「やりたい仕事が見つからない」そんな声をよく聞きます。実は筆者自身もそうでした。
やりたい仕事を見つけようとするとき、多くの人は仕事を作ろうという意識ではなく、仕事を貰う意識で探すだろうと思います。この場合見つかる仕事というのは、本人がやりたい仕事ではなく、雇用主がやらせたい仕事です。
お金を払って仕事をしてもらうわけですから当然ですよね。こういった仕事には二種類あります。
- ①雇用主にはできない仕事
- ②雇用主が(できるが)やりたくない仕事
①はつまり専門的な仕事で、社内に人材がいなければ好条件で採用をされることになります(もしくは外注)。一方②の方は少しの教育で誰でもできるようになる仕事で代替できる人材が豊富にいるため条件は悪くなります。
つまり、やりたい仕事ができる人というのは、何らかの専門的なスキルを持っている人に限られるということです。
そしてそういったスキルを身に付けるためには就職・転職する際にもしっかりとキャリアプランを設計しないといけませんし、ある程度自分に投資してスキルを身に付けることも必要になるわけです。
ハイスキル人材に依存した事業の危険性
事業を存続する上で、業務を誰でもできるパートに分けて構成することは非常に重要だと考えます。なぜなら、事業を一部の卓越した能力をもった人材に依存することは、事業の存続にとって脅威となりうるからです。
もしその人材が辞めたり、病気になったりすればなかなか代替できる人材は見つかりませんし、新たに人材を育てようとしても多大な教育コストと時間がかかることになります。
つまり事業を安定して継続してゆくためには、一般的な人材で事業が回るように設計する必要があります。言い方は悪いですが調達しやすい部品で高い品質の製品を作れるしくみを作る必要があるということです。
雇用されるなら仕事に自分を合わせる覚悟が必要
残念ながら今の自分にぴったりな仕事を見つけようとしてもそんな仕事はなかなか転がってはいません。雇用されて仕事をする以上は、与えられた仕事に自分を合わせてゆくことが必要になります。
経営者は、専門的な技術を必要とする仕事は単価の高いハイスキル人材に任せて、スキルを必要としない雑務は一般の社員に詰め込むということをするでしょう。単価の高い人材の工数を簡単な業務に割り当てるのは明らかに費用対効果が悪いですから。
ですから一般的な社員は、受動的に与えられる仕事だけをしていると市場価値の高いスキルがなかなか身につかないまま年齢を重ねてゆくことになりがちです。終身雇用の時代はそれでもよかったかもしれませんが、今はそうもいきませんよね…。
ですから貪欲に市場価値の高いスキルを身につけられる仕事をもらえるようにしないといけないですし、場合によってはお金を出してもそういったスキルを身につける必要があるだろうと思います。
では、やりがいのある仕事とは?
では労働者にとってのやりがいとはなんでしょうか?筆者が考えるに、それは世の中の役に立っているという実感だろうと思います。
労働者個人が報われるということは残念ながらあまり多くはないと思いますが、それでも自分を犠牲にして誰かが喜んでくれるというのは素晴らしい経験だと思います。
ですから企業においては駒に徹してもよいと割り切れるような、「理念への共感」がやりがいにつながるのではないかと思います。
そういった大儀がない中で自分を犠牲にするのはつらいですから、やはり就職、転職の際は企業の理念というのは最も重要なポイントになってくるのだろうと考えます。
本当に自分のやりたいことをやるなら独立する
そんな中で、やっぱり本当に自分に合った仕事をしたいということであれば、雇われるという発想から自分で事業をするという発想に切り替える必要があるだろうと思います。
自分で事業をするのであれば本当にやりたくないことはしなければいいですし、するにしても自分の選択であればリスクを負えるはずです。
与えられた仕事に自分を合わせるのではなく、今の自分にできる仕事を作る、または、需要のある仕事に自分を最適化させるということをすればいいわけです。
つまり独立ですね。