個人事業主が上場企業と取引する場合のリスクについて

今回は個人事業主と上場企業間で取引を行うにあたって、現実にどういった障害が立ちはだかるかというところについて考えてみたいと思います。

実際に上場企業と取引を行う局面を経験したことがないうちは、上場企業と取引できるなんてすごいビジネスチャンスであると考えるかもしれません。

しかし、実際そういった局面になるといくつかの障害が出てくることになります。

上場企業ともなるとコンプライアンスが非常に厳しいですから、多くの場合、取引にあたって契約書(業務委託)を締結することになるかと思います。

そしてその中には「損害賠償請求」なる項目が存在します。

企業側も決して損害賠償請求しようと思ってこういった内容を盛り込んでいるわけではなく、あくまで自衛のために盛り込むわけですが、少なくとも何か問題が生じた場合には実際に損害賠償請求をされる可能性はゼロではないということです。

可能性がゼロでないということは大きなリスクですよね。

個人事業主側も悪意があって損害を与えるつもりはないでしょうから、もし意図しない問題が起きてしまったときに無制限の損害賠償をしなければならないとなれば、対価よりもリスクの方が大きいと感じてしまうでしょう。

法人であれば有限責任ですので最悪倒産してしまえば終わりですが、個人事業主は無限責任ですので賠償額によっては生活が破綻してしまうことになりかねません。

そう考えると恐ろしいですよね・・・。

ですので、企業と契約を結ぶときはこういった看過できないリスクについて修正を求めるべきです。

例えば、損害賠償請求に関する項目で、”故意でない場合に限り~”、だったり、”業務委託料を上限として~”といった、

  • ・損害賠償の対象範囲
  • ・損害賠償の金額

について明確にしておく必要があります。

この辺はできれば一度弁護士さんにしっかりと見てもらうのがよいでしょう。一度ひな形さえ作ってしまえばその後の対企業とのやりとりがやりやすくなるかと思います。

もし、こういった修正に応じてもらえないようであれば、残念ですが取引をあきらめるか、もしくは、賠償責任保険などへの加入を検討する必要があるかと思います。

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またその他のリスクとして、”手離れの悪さ”があります。

上場企業ともなるとひとつの事業に関わる人数も多いですし、意思決定のフローも複雑になりますから、業務そのもの以外のやりとりに相当な工数をとられることになります。

そして、数万円のスポット業務でも数か月やりとりが必要になってしまうケースもありますし、納品後の修正が長引く可能性もあります。

ですから同じ業務を行うにしても料金をかなり割高にしない限りデメリットの方が目立つ結果となりがちです。

しかしながら、こういった大企業との関係性をうまく構築できれば、その後継続的に仕事を発注してもらえたり、大きな信用力がついたりとプラス面の期待があることも確かです。

大きな企業は個人事業主との取引を嫌うというのは知識としてありましたが、それは何も企業側だけが嫌っているわけではなく、こういった事情から個人事業主側が取引を辞退するといったケースも多いのではないかと思います。

大きな企業と取引する場合は、できれば法人にしてちゃんと顧問弁護士をつけるのが安心ですね。

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