【実体験含む】個人事業主が上場企業と取引する場合のリスクについて

今回は個人事業主と上場企業間で取引を行うにあたって、現実にどういった障害が立ちはだかるかというところについて考えてみたいと思います。

実際に上場企業と取引を行う局面を経験したことがないうちは、上場企業と取引できるなんてすごいビジネスチャンスであると考えるかもしれません。

しかし、実際そういった局面になるといくつかの障害が出てくることになります。
 

契約書の締結(損害賠償項目)

上場企業ともなるとコンプライアンスが非常に厳しいですから、多くの場合、取引にあたって契約書(業務委託)を締結することになるかと思います。そしてその中には「損害賠償請求」なる項目が存在します。

企業側も決して損害賠償請求しようと思ってこういった内容を盛り込んでいるわけではなく、あくまで自衛のために盛り込むわけですが、少なくとも何か問題が生じた場合には実際に損害賠償請求をされる可能性はゼロではないということです。

特に信用問題で受ける損害はその企業が大きければ大きいほど金額が大きくなるでしょうから、数千円で請け負った記事制作の表記ミスが数千万円の損害に発展したら・・・なんて考えると身震いをしてしまいます。

いずれにせよ、無限責任の個人事業主にとって、人生を破滅させるほどのインパクトのあるリスクが発生する確率があるということは受け入れがたいものとなります。

ですので、企業と契約を結ぶときはこういった許容できないリスクについては修正を求めるべきです。

例えば、損害賠償請求に関する項目で、”故意でない場合に限り~”、だったり、”業務委託料を上限として~”といった、

  • ・損害賠償の対象範囲
  • ・損害賠償金額の上限

については明確にしておく必要があります。

個人事業主の場合はなかなか顧問弁護士をつけるというところまでは判断できないと思いますが、可能であればスポットで一度弁護士さんに上場企業と取引する際の契約内容の作り方について相談してみるとよいかもしれません。一度ひな形さえ作ってしまえばその後の対企業とのやりとりがやりやすくなるかと思います。

もし、契約内容の修正に応じてもらえないようであれば残念ですが取引をあきらめるか、もしくは、賠償責任保険などへの加入を検討する必要があるかと思います。

ちなみに一部上場企業の場合でも、取引の際にこういった契約締結を求めてこない会社さんもあります。これは担当者さんが優秀で、ある程度の決裁権を持っており、その取引におけるリスクを担当者さんが負っている状況と考えられます。

また企業側がコンプライアンス的に直接対応できないようなグレーゾーンの案件を個人事業主に振ってくるようなケースもありえなくはないので、こういった場合は要注意です。自社ではリスクがあってやりたくない案件を弁護士がついていないような個人事業主に振って、万が一のときに責任を回避しようとしていることも想定されるので、こういった場合は結構リスキーと考えています。

少し疑い深いですが個人事業主が自衛するためには取引における相手の意図(何が欲しいのか?)を正確に読み取る必要があります。タドワークスとしてはファーストコンタクトで直感的に違和感(なんで私に?)があった場合にはかなり取引に慎重になります。

逆にリスクの少ない小さな案件(ある程度以上の品質が担保できるなら別に誰でもよい…)から受注して、そこから別案件に発展(信頼できるので是非あなたにやってもらいたい)するようなケースでは割と安全性が高いと考えています。
 

仕事の手離れの悪さ

また、上場企業とやりとりを行う場合には、損害賠償関連のリスクとは別に仕事の”手離れの悪さ”というリスクもあります。

上場企業ともなるとひとつの事業に関わる人数も多いですし、意思決定のフローも複雑になりますから、打ち合わせなどコミュニケーション部分に相当な工数をとられることになりますし、進行も遅くなる場合があります。

数千円で請け負った案件にああじゃないこうじゃないで半年間ほどやりとりを行うことになるケースなんかを考えると、リソースが限られた個人事業主としては大ダメージとなります。一度受けた以上、途中で投げ出すわけにもいかないですし・・・。(投げ出せばそれこそ損害賠償が発生するかもしれません)

そう考えると、同じ業務を行うにしても大企業相手の場合には料金をかなり割高にしないと割が合わないということになってしまいます。
 

まとめ

大きな企業は個人事業主との取引を嫌うというのはなんとなく知識として独立前にも持っていましたが、それは実は企業側だけが嫌っているわけではなく、こういった事情から個人事業主側が取引を嫌がるケースというのも少なくないのではないかと思います。

これらは実際にタドワークスの経験も踏まえた内容ですが、いずれにせよ、大企業から案件の依頼があった場合には浮足立たずに冷静に取引におけるリスクバランスを確認するようにすべきです。

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