会社員が会社との給与交渉を行う上で必要な視点について

今回は、給料が上がらない、会社から正当な評価を受けていない、蔑ろにされている・・・などなど、会社に不満を持っている若手社員向けに会社で自分の影響力を高める賢い立ち回りについて私の思うところを綴ってみたいと思います。

私自身、20代前半から30代後半まで会社員をしていて、その後フリーランスとして独立して今に至りますが会社員当時(特に20代の頃)はやはり甘えがあったなと思います。

会社員時代は、会社に貢献したら評価すべきだ、頑張ったら評価すべきだという根拠のない価値観があったわけですが実際のところ社会というのはそれほど甘いものではありません。

基本的に会社というのは従業員の給料を上げずに済むなら上げたくないというのが本音であることを前提として理解するべきだと思います。

勿論これはあくまで会社側の都合なのでそれを尊重する必要はないのですが、会社というのは人を一度雇えば簡単に辞めさせることもできませんし、一度給料を上げれば根拠なくそれを下げることもできません、社会保障やその他にかかる費用だって馬鹿にならないのです。ですから、できることならベースアップせずにずっと働いてほしいというのが本音の経営者は多いと思います。

そういった状況で、会社からの評価を期待して待っていてもそれが裏切られる可能性は高いと思います。

会社員をやっているとなかなか実感できないところなのですが、会社と従業員というのも結局は取引であって、経営者側はできるだけ安く品質の高い労働力を欲しいと考えており、労働者側はできるだけ高く自分の労働力を買ってほしいと考えています。

ですから、ただおとなしく待っていても会社側から昇給の提案をしてくるということはなかなかありません。
交渉、もしくは、駆け引きが必要になります。

基本的に経営者側がある従業員の昇給を決断するのは、

1.その従業員がいないと会社の業務に支障が出る
2.その従業員が昇給しないと辞めてしまう可能性が高い

こういった場合だろうと思います。

ですから会社の中でそういったポジションをとればよいわけです。

では会社の中で自分がいないと会社の業務に支障が出るような状況を作り出すにはどうすればよいでしょうか?そもそも昇進もできないのでなかなかそんなポジションを獲得するのは難しそうに思えます。

しかしながら必ずしも昇進をしなくても重要なポジションを獲得することは不可能ではありません。

例えば、自分しかできない仕事を作る、自分しか知らない領域を作る、顧客の信頼を獲得するなどすればよいのです。

人間というのは楽をしたい生き物ですから、仕事を丸投げできる部下というのは上司も重宝をするものです。自分が楽をできるものですからそういった上司は自分の仕事をどんどん部下に任せるようになります。

それがある程度の期間続くとその上司はその部下がいなければ自分の仕事をできなくなります。
会社的な立場と関係なくここで依存関係ができてしまうことになります。

こうなったときにその部下が急に辞めるとなるとその上司は非常に困ってしまうことになります。
この時点で交渉の下地ができます。

ただ、交渉にあたっては足元を見られないように本当に辞めることができる状態にしておかなければなりません。

退職後に最低3ヶ月は生活できる貯蓄をしておくこと、また、すぐに転職できるだけのスキルを身につけておくことが重要となります。

フリーランスになると仕事はすべて取引なのでこういう感覚が身につくのですが、会社員で身内感覚でいるとこういった取引の感覚が持てずどうしても受け身の考え方になりがちだと思います。

ただ、多くの場合、実際はもっとドライで自身の勤める会社に対しても交渉力を持っておくことは大変重要だと思います。

今回は少し生々しい内容となってはしまいましたが、今の時代労働者として生き延びてゆくには必要な考え方だろうとは思います。

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