終身雇用崩壊時代にはキャリアハラスメントが問題になる?

タイトルの通り、今回は「キャリアハラスメント」なるものをテーマに思うところを綴ってみたいと思います。

「キャリアハラスメント」というのは私が直感的に命名したものですが、終身雇用の崩壊がより表面化してゆく時代において問題になってくるハラスメントのひとつなのではないかと考えています。

終身雇用制度が長年をかけて形成した企業文化というものは意外と根強く、独り歩きをはじめていてしばらくは文化として残り、企業側、従業員側を苦しめる結果になるのではないかと思います。

それは例えば、新卒一括採用だったり、社内教育だったり、年功序列であったりですね。(即戦力にならない人材を大量に入れて長期的な視点で教育するという考え方は、そもそも終身雇用を前提としているものだと思います。)

終身雇用が期待できなくなると、従業員側としてはいつクビを切られるかわからないといった危機感を持つようになります。そうなると多くの労働者の転職を前提としたキャリア志向がより高まってくるだろうと思います。

つまりその会社にいられなくなってもキャリア転職で年収をキープ、できればアップできるような準備をしなければなりません。そして、そうなると従業員は仕事を選ぶようになるでしょう。

終身雇用時代は仮にその会社以外ではまったく役に立たない業務であってもその会社にいさえすれば年功序列で年収が上がってゆくのですから問題なかったわけですが、いつクビを切られるかわからない状態においてはそうはいきません。

その会社以外でも通用する(潰しのきく)職種でキャリアを積んでゆく必要があるのです。

こういった意識の変化がある中で、会社が従業員のキャリアを無視した業務や配属を強要する場合、これは従業員の人生設計を害する恐れがあります。

つまりこれが「キャリアハラスメント」と感じられる時代がくるのではないかと考えています。

会社が従業員の望む仕事を必ずしも用意し続けるというのはそれはそれで難しいと思いますので、これからの時代は中小企業でも従業員のキャリアプランを尊重しつつちゃんとコミュニケーションをとってゆく必要があるのではないかと思います。

しかしながら世の中には汎用性が低いけれど重要な仕事というのもありますから、みんながみんな「潰しのきく」仕事をやりだすとそれはそれで社会的にデメリットがあるものと思います。

ですから本人が希望していなかったり、潰しのきかない業務に従事してもらう場合には、人生設計上のリスクを鑑みて報酬を上げるなどの対応が必要になるかもしれないですね。

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