メタバースにおけるアバターの重要性について

仮想空間というのは1990年代から存在する概念でWeb3Dコンソーシアム(旧VRMLコンソーシアム)という団体がその規格を策定してきました。

VRMLやX3Dというマークアップ言語を使ってWeb上に3D空間を公開することができ、Javaと連携することで複数のユーザーがアバターを使って仮想空間上でコミュニケーションができるマルチユーザーワールド(今でいうメタバース)を構築することができました。

アバターの動作については「H-Anim」という骨格モデルがあり、これを使って人体アニメーションを表現することができました。おそらくこの技術は現在のアバターアニメーションに引き継がれているのではないかと考えています。

しかしながら当時実際にメタバースとして脚光を浴びたのは、こういったオープンなWeb仮想空間ではなく、クローズドなアプリケーションであるセカンドライフでした。

オープンなWeb3D技術を用いたメタバースは品質面でゲームに劣るものだったのが大きいと思います。そして未だにメタバースは各サービスごとの閉じられた世界であると感じます。

しかしながら今後のメタバースの発展において、メタバースがひとつの世界に繋がる日がくるだろうと考えています。

そしてその中心となるのがアバターシステムであると考えます。メタバースの価値を高めるのはあくまで人であって、舞台としてのワールドそのものではないからです。

この先メタバースにおけるUIが統一されてゆく過程において、リアルな人間と仮想空間を繋ぐアバターのコミュニケーション技術は非常に重要な価値を持っていると思います。

ですからこのアバターシステムを構築した企業がメタバースを牛耳ることになるのではないかと考えます。

そして現状このポジションに一番近いのがMeta社ではないかと感じています。Meta社のQuest2のアバターを実際に見るとそれを感じます。

トラッキング技術を利用したアバターコミュニケーションの自然さは、これまでのゲーム空間では味わえなかったものです。

ハードウェアやアプリケーションに依存せずに自分のアバターを使えるとなれば、ユーザー側としては便利です。そのアバターでゲームにも入れれば、Web3D空間にも入れるという状況です。

また以前からあった仮想空間の本質的な価値を変えるのは、ソフトウェアではなくハードウェアだろうと思います。ハードウェアの進化によって仮想空間で行った行為が身体感覚にフィードバックされるようになれば、仮想空間内の情報の価値はまったく変わるでしょう。

例えば仮想空間内のマウスを動かして作業を行うということが自然にできるようになるわけです。

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