メタバースのインフラ化には没入型デバイスが不可欠?

初期のメタバースサービスであるセカンドライフが失敗だった失敗ではない論争というのをよく目にしますが、この論争は両者が理想とするメタバース像の相違から発生しているものだろうと思います。

実際セカンドライフは現在でも存続しているわけで、サービスとしては決して失敗してはいないわけですが、これを失敗という人たちはメタバースのインフラ化に失敗をしたと思っているのだろうと思います。

正直なところ、メタバースというのは現在のところはまだ「目的のない3Dゲーム」の範囲を出ないと思います。

平面のディスプレイ上で目的もなく3次元空間を動き回る意味が果たしてあるでしょうか?アバターをもったコミュニケーションが、これまでのネット空間のコミュニケーションとは違う効果を与えるというメリットを加味しても、これはやはり社会の必需品にはなりえないと思います。

つまりこれは「ごっこ」でしかなく、おままごと遊びの世界に近いものです。

ですが没入型デバイス(VRヘッドセット)の進化は、このメタバースの存在意義に根本的な変革を起こすことになるでしょう。(おままごとの家も、自分が小さくなってその家に入ることができれば、もはや本物の家と大差なくなります。)

自分の視点が仮想空間に入り、自分の動きと連動する。また、実際の手の動きにより仮想世界のオブジェクトへの操作が可能になると、バーチャル世界の意義はまったく変わります。

例えばですが、現実のオフィス空間でできることが、すべて仮想空間内で同じようにできるとしたら、それでも人は家賃や通勤というコストを払って現実世界に固執するだろうか?ということです。

まったく同じ機能を果たすのであれば、広さも自由、家賃も建設も不要な仮想世界にオフィス機能をもたせた方がエコということになります。

ここ最近のメタバースブームは一過性であるにしても、メタバースのインフラ化は近い将来やってくることになると思います。

それは没入型デバイスの進化と普及というポイントを越える必要がありますが、それを待たずして3DCG技術と制作ツールの進化が進むだろうと思います。ゲーム需要がある以上はこの進化は止まらない。アセットもどんどん増えてゆくことでしょう。

没入型デバイスの進化が追い付いたときにはじめてメタバースの本領が発揮され、そこでインフラ化が進むことになるのだろうと考えています。

VRヘッドセットの軽量化と性能向上、触覚フィードバック付きのハンドグローブ、この辺の技術が進み、安価に提供されるようになれば状況は一変するものと思います。

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